興行ビザ

興行ビザといえば、アルファサポート行政書士事務所

興行ビザ

東京の興行ビザの専門家、アルファサポート行政書士事務所が、興行ビザのポイントをわかりやすく解説します。

 


興行ビザは、どんな時に必要なの?

興行ビザは、就労ビザの一つです。

日本国内において、報酬を伴う興行活動、芸能活動を行う場合には、たとえ1日の活動であっても興行ビザの取得が必要です。

報酬を国外で支払っても興行ビザは必要です。

日本における興行や芸能活動で報酬が発生したのであれば、その報酬が日本国内で支払われるか国外で支払われるかに関係なく興行ビザの取得が必要となります。

同様に興行を行う外国人に直接に報酬を支払う法人が日本企業であるか外国企業であるかを問いません。

興行ビザをとらずに、観光ビザではダメですか?

観光ビザでは、報酬を伴う活動ができません。

観光ビザや査証免除(ビザ無し)で来日して、報酬を伴う興行や芸能活動を行うことはできません。

違反は、不法就労罪、不法就労助長罪という犯罪です。

観光ビザや査証免除で来日して日本で報酬を伴う興行や芸能活動を行った場合、行った外国人本人は不法就労罪、その就労を手助けした者(招へい会社など)は不法就労助長罪となります。

興行の様子は、マスコミに公開されることを意識しましょう。

興行ビザ以外の就労ビザにおける不法就労は、犯罪ですから当然のことながら人目につかないように行われます。ところが、興行ビザの場合、その不法就労(=イベント)は通常、公衆の面前で行われるはずです。

また、その不法就労の結果(イベントの様子や競技の勝敗)も、通常はマスコミによって広く一般に流布されるはずです。

興行ビザの場合、不法就労がバレずに成就する可能性は極めて小さいことがご理解いただけると思います。また、後ほど「不法就労助長罪」という言葉をグーグルやヤフーで検索していただければお分かりのように、バレた時には「逮捕」されその時点でマスコミに公表されることも少なくありませんから、興行ビザを取得しなかった代償はとても大きなものとなりますので絶対にやめましょう。

興行ビザの4つの基準

興行ビザの基準は「法務大臣の命令」

 興行ビザの基準省令の形で定められています。省令とは、各大臣が制定する命令のことを言い、興行ビザの基準は法務大臣が定めています。

 時折、基準をわずかに満たないようなケースで、ほんの少しだから大目に見てくれるだろうと期待される方がいらっしゃいますが、基準に満たなければバッサリ切られます。

 入国管理局の担当者にしてみれば、法務大臣が命令で定めた基準を満たしていなければ、不許可にするのが当然という論理で、ある意味これは当然の結論でもあります。

 例えば、興行ビザ基準2号のなかには、「団体の報酬が50万円以上」という基準がありますが、このように定められている以上、49万円では不許可になります。

 もし49万円で許可してよいのであれば、そもそも基準を45万円に規定しておけばよいだけの話であり、45万円ではなく50万円とされている以上は、49万円では不許可とされるのです。

 このように、入国管理局の審査官には、基準面においては一切の裁量がありません。これは行政法の学問の世界では「要件裁量」と呼んでいますが、許可不許可の基準(=要件)は法務大臣が定めているのですから、その点につき審査官には裁量はありません。

 したがって、この点について甘い考えをお持ちですと不許可になりますので、基準は何としてもクリアしなければならず、そのことが書面上確認できなければなりません。

興行ビザの4つの基準を大まかに見てみると・・・

1号演劇、演芸、歌謡、舞踊又は演奏を行う場合で、2号に該当しない場合

   各種ダンスの公演、コンサート、フェスなどであっても、例えば次のような場合は

   1号に該当する可能性があります。

   ・報酬が1日に50万円未満の場合

   ・イベント参加者全体では報酬が50万円以上だが各団体の報酬は50万円未満

   ・報酬は1日に50万円以上だが、メンバーを1つの団体と観念できない

   ・報酬は1日に50万円以上だが15日以上の滞在日程である

   ・客席の定員が100席未満である

   ・客席で飲食物を有償で提供する ※クラブ・キャバレーなど

   ・イベント会場が株式会社によって経営されている

   ・あるイベントは100席以上の会場で行うが、別のイベントは100席未満の

    会場で行う

 

2号演劇、演芸、歌謡、舞踊又は演奏を行う場合で、次の場合など

   各種ダンスの公演、コンサート、フェスなどが該当することが多いです。

   ・飲食物を有償で提供せず、会場の定員が100席以上ある

   ・団体としての1日の報酬が50万円以上であり、15日以内の滞在である

 

3号演劇、演芸、歌謡、舞踊又は演奏以外の興行を行う場合

   例えば、プロスポーツ(プロ野球、プロサッカー、F1等)や格闘技イベント、

   プロゲーム大会(チェス、eスポーツなど)は、興行ではあるけれど、

   演劇でもなければ演芸でもなく歌謡でも舞踏でも演奏でもないので、

   3号に該当します。

 

4号:興行以外の芸能活動を行う場合

   例えば、テレビ番組の撮影、映画の撮影、CMの撮影、レコーディング、モデル

   としての活動など

興行ビザの基準を満たしてもなお、不許可になることがある?

上記の1号から4号までの基準を満たしていてもなお、入国管理局の審査官には申請を不許可にすることができる権限(講学上、効果裁量と呼ばれます)があります。

興行ビザの申請時には、招へい機関の直近の決算書や申請人の経歴、興行日程表、滞在日程表、契約書の写しなどを提出します。

たとえ1号から4号の基準を満たしていても、契約書が不適当であったり、興行スケジュールに不審な点があったり、決算状況が悪かったり、申請人の経歴の立証が不十分であったりすれば不許可となりますので、その点には注意が必要です。

興行ビザの取得までの2段階審査

 興行ビザを取得するまでには、原則として、日本の入国管理局と在外公館の

 2か所で審査を受けることとなります。

 入国管理局は法務省、在外公館は外務省なので、興行ビザをもって来日する

 ためには、2つの役所からOKが出ることが必要とされています。

STEP1:在留資格認定証明書交付申請

公演をされる外国人の方が海外にいらっしゃる場合には、日本の入国管理局へ在留資格認定証明書交付申請を行います。この申請が許可されると、在留資格認定証明書が交付されます。この在留資格認定証明書は、日本の法務省として、申請人の日本における活動が在留資格「興行」に適合していることを証明するものです。

申請に必要な書類は入国管理局が公表していますが、これは受理に必要な最低限の書類を列挙しているに過ぎません。通常は、追加資料を求められることが多く、このやり取りの時間を見込んでおかないと、入国希望日に間に合わないという事態が発生しかねません。

STEP2:在留資格認定証明書の受領

入国管理局が申請を許可すると、申請時に提出した封筒を使用して郵送で在留資格認定証明書が送られてきます。それを受領したら、海外にいらっしゃる外国人の方にEMSなどで送付します。

STEP3:在外公館での査証の申請

日本の招へい会社から在留資格認定証明書を受け取った外国人の方は、日本の在外公館に興行ビザ(査証)の発給を申請します。在外公館にもよりますが、通常は5労働日(営業日)程度の審査期間を経て許可されます。許可されると、シール状の査証が申請人のパスポートに貼付されます。この査証の貼付されたパスポートの所持が、来日時の日本上陸の条件のひとつとなります。

STEP4:来日

来日時には、在留資格認定証明書と査証の貼付されたパスポートを日本の空港・海港で提示する必要があります。在留資格認定証明書は、空港や海港で自らの在留資格の資格該当性を立証する手段として用います。上陸が許可されると用済みになるので空港で回収されます。

興行ビザの審査期間

入国管理局での審査期間

はじめて自社で興行ビザの申請をする場合には、最低でも1か月の審査期間が必要です。中にはぴったり1か月ちょうどで許可されるケースもあり、はじめて申請をする会社の場合には1か月未満で結果がでることはほぼ皆無と思っていただいて結構です。

在外公館での審査期間

日本の在留資格「興行」の資格該当性については、その判断がすでに日本の法務省によって済んでいますので、在外公館での審査は主にその国における申請人の犯罪歴などが調査されます。窃盗レベルのそれほど重くはないと考えられる犯罪でも、在外公館で把握している場合があります。万が一不許可になった場合、不許可の理由は開示されません。

興行ビザ 基準省令2号

 興行ビザ2号に該当するかの判断ステップのいくつかをお示しします。

 なお、入国管理局の職員には、下記の基準をすべて満たしている場合でも不許可にすることができる裁量(効果裁量)がありますので注意が必要です。

 例えば、提出資料である直近の決算書が赤字である場合、黒字でも売上げが少ない場合、過去のイベントで不手際があった場合、契約書に不備がある場合、イベントの収支が合わない場合など、様々な理由で不許可とされる可能性があります。

 これらを未然に防ぐため、興行ビザの申請には行政書士を使用される会社が大半です。東京近郊であれば、興行ビザのプロ、アルファサポートへご依頼ください。

興行ビザ基準省令2号

STEP1:演劇、演芸、歌謡、舞踊又は演奏を行うか?

   いわゆるフェス(ジャズ・フェスティバル、野外音楽フェスティバル)は演奏、

   歌手のコンサートは歌謡、ダンサーの公演は舞踏に該たりますので、興行ビザ

   基準2号に該当する可能性があります。

   一方、プロスポーツや格闘技イベントは、演劇でも演芸でも歌謡でも舞踏でも

   演奏でもありませんので、基準2号には該当しません。

STEP2:飲食物の提供と会場に着目した基準2号(ニ)

   飲食物を有償で提供しない場合には、次に会場に着目します。

 

   【A】会場の客席定員が100席以上であれば、興行ビザ基準2号に

      該当します。

   【B】会場の客席店員が100席未満であっても、会場を営利を目的としない

      公私の機関が運営する場合には、興行ビザ基準2号に該当します。

 

   例えば、豊洲にある某イベントホールは公益財団法人が運営していますので、

   「営利を目的としない公私の機関が運営」していると言えます。この会場を

   利用する場合には、客席が100席未満であっても構いません。

 

   なお、営利を目的とするかどうかの判断は、法人の類型によって判断されます。

   すなわち、法律上「営利を目的とする」とは、事業活動によって得た利益を、

   構成員に分配する法人であることを意味します。

   株式会社は利益を株式の配当という形で株主に分配する法人ですから、

   「営利を目的とする機関」です。

   したがって、株式会社が運営するイベント会場は要件【B】は満たしません。

STEP3:報酬と滞在日数に着目した基準2号(ホ)

   飲食物の有償提供&会場という基準のほかにも、報酬と滞在日数という基準が

   あります。

   報酬が1日に50万円以上、かつ、15日以内の日本滞在であれば基準2号を

   満たします。

   ここで注意が必要なのは、数日にわたりイベントが行われる場合には各日に

   ついて50万円以上が必要である点です。

   1日目の公演で25万円、2日目の公演で25万円、合計50万円では基準を

   満たしません。

   また、団体で公演している場合には、団体の構成メンバー各人に50万円が

   支払われる必要はなく、団体全体に50万円が支払われれば基準をクリア

   します。

   ここで団体とは、通常は団体名をもち、団体名で興行をしているような場合を

   指します。例えば、オーケストラ、アイドルグループ、バンドはオーケストラ

   としての名前を持ち、アイドルグループもグループとしての名前を持ち、バンド

   もバンドとしての名前を持っています。

興行ビザ基準省令2号 必要書類の一例

1 写真(縦4cm×横3cm) 1葉 

※申請前3か月以内に正面から撮影された無帽,無背景で鮮明なもの。

 

2 申請人の経歴書

 

3 申請人の活動に係る経歴を証する文書  

 

4 招へい機関に係る次の資料 

(1) 登記事項証明書 1通 

(2) 直近の決算書(損益計算書,貸借対照表など)の写し 1通 

(3) その他招へい機関の概要を明らかにする資料 適宜 

(4) 従業員名簿 1通 

 

5 興行を行う施設の概要を明らかにする資料 

(1) 営業許可書の写し 1通 

(2) 施設の図面(間取りなどが記載されているもの) 1通 

(3) 施設の写真(客席,控室,外観など) 適宜 

 

6 興行に係る契約書の写し 1通 

※上記資料には,興行契約書のほか,契約機関と出演施設を運営する機関との出演に関する契約書等も含みます。

招へい機関が当該興行を請け負っている際は,請負契約書の写しを,また,興行場法施設を利用する場合には

使用承諾書等の写しを提出してください。 

 

7 申請人の日本での具体的な活動の内容,期間,地位及び報酬を証する文書 1通 

※雇用契約書又は出演承諾書等の写しなど。 

 

8 その他参考となる資料 

滞在日程表

興行日程表

興行内容を知らせる広告・チラシ

チケット

特設ホームページ

興行ビザ 基準省令3号

興行ビザ基準省令3号

興行ビザ基準省令3号 必要書類

興行ビザ 基準省令4号

興行ビザ基準省令4号

興行ビザ基準省令4号 必要書類